大会当日は朝から雨がしっかり降っていた。そして寒い。
青梅駅から北側の高水山方向を見やると霧に覆われていた。ちょっと憂鬱。陸上部からは30kmに3人、12kmに1人がエントリーしていたが、全員参加。受付を済ませて、テントを設営し、雨を凌ぐ場所を確保。着替えを済ませ10時のスタートを待つ。
ラッパの合図でスタート。約500人の参加者の中で白人が目立つ。日本じゃマイナーな山岳マラソンだが、欧米では人気があるらしい。
しばらくハイキングコースの上り坂が続き、ふくらはぎやお尻の筋肉が悲鳴を上げる。足はもう泥だらけ、体中汗と雨でびっしょり。山道は深い霧と雨の中、展望台を過ぎ、辛垣城趾を越えると榎峠に出て、舗装道路が現れる。歩道を走り白岩給水着、1:12だ。前回の練習よりかなり早い。給水と梅干し、グレープフルーツを頂く。
いよいよ高水山への急登が始まる。走ろうとしても歩く方が早い。樹林帯を喘ぎながら行くと、山道をものすごいスピードで駆け下りてくる選手に出合った。トップの選手だった。顔を紅潮させ、体中泥だらけだった。こっちが各駅停車なら、向こうは新幹線か?スピードが全然違う。世界のトップレベルの走りだ。次々と弾丸のような選手が駆け下りてくる。アメリカのモントレイル所属の石川選手は3番手だった。がんばれ!
標高800mちょっとの高水山頂が近づいてくると、肩から胸が異常に寒いのに気付いた。軍手をした手が凍えてうまく動かない。よく見ると雨はあられになっていた。頂上の常福院の本殿でお守りを首にかけてもらい、給水をしてから折り返す。ここまで1:55。この調子なら4時間で完走できそうだ。気持ちが楽になる。さっきまで抜きつ抜かれつだったK君がいつの間にか先行してしまった。
ビデオテープを巻き戻すように登ってきた道を戻ってゆくのは何故か安心感がある。しばらく下った所でO君に会い、エールを送る。瞬く間に白岩給水に到着。給水と焼きジャガを頂く。冷え切った胃袋が暖まって嬉しい。ボランティアのおばさんたちに元気を頂いているうちにO君が追い越してゆくのが見えた。
ウサギとカメのレースみたいで可笑しかった。自分は程なく出発、O君を追撃開始。現時点で最下位だ。榎峠から山道に入り、心臓破りの上りをいくつか越えると、前方にO君がいた。疲れているようだ。ジャガイモパワーで一気にO君を抜き去り、どんどん引き離す。
後半はペースの落ちた選手が多い中で、自分は比較的元気な方だ。展望台を過ぎると残り5km。あと2kmもすればハイキングコースに入り、足場が良くなる。頑張ろう!と思った瞬間、昨日ハリーの散歩の時にひねった左膝の裏側にチクッと刺すような痛みが走った。一気にペースが落ち、左足に力が入らなくなった。だましだまし左足を使いながら残る数キロを下る。
あと1kmという地点で、12kmに参加したZ君が応援を兼ねて併走してくれた。K君は?と聞くと少し先にいるとのこと。K君には勝てないと諦めながら、それでもゴールに向かう他の選手を抜いてゆく。先ほどから長身の女子選手が自分の視界にあったが差が縮まらず、結局50m差で逃げられてしまった。3:31。正式記録は後日発表とのことで、達成感はフルマラソン以上、自然を相手によく頑張った自分にご褒美をあげたかった。
K君は3:27、O君は3:35で3人とも実力は拮抗していて今後が楽しみだ。

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